【縁〜en〜】4日目(2月28日)

今日はオスロ最終日。
そして慣れ親しんだルールメイトもスペインへ帰国するとのこと。
そこで一緒にオスロ中央駅まで一緒に行き、感動の別れを。
いやーこいつらがこの旅の初めてのルームメイトで本当によかった。
色々とヨーロッパの常識というものを教えてもらったぜ。
またどこかであえますように。

さてここからが本題

話はすこしさかのぼること、早朝、社長のメールを見て感動、少し涙する。

「力」

私は力だ。
力の結晶だ。
何ものにも打ち克つ力の結晶だ。
だから何ものにも負けないのだ。
病にも 運命にも、
否、あらゆるすべてのものに

打ち克つ力だ。

そうだ!

強い 強い 力の結晶だ。

中村 天風


なんて、いい歌だ!




こんな人がいたとは!俺が今悩んでいるのが馬鹿のようだ!ちっちぇちっちぇ!
コレを気にやる気が100倍に。

しかし、いいネタは浮かばず。
今日はオスロ最終日なので(今日の23:05の寝台列車で)荷物を減らすために路上販売をするためにオスロで一番賑やかとされる、カール道へ

注釈()

しかし...あれ?店が閉まっている?人がいない?こ、これは、まさか...
すぐさま道行くおじ様に聞いてみると「ノルウェーでは道曜日はアールモストクローズさ、ハハッ、ドンマイ」
だってさ。
マジかよー!
今日が最終日だっていうのに。くそー迂闊だった。しかし、ここでめげてはだめだ、とりあえず

店を開くぞ、と意気込んで開店。しかし、人がいなさすぎて3分に一人ぐらいしか通らない。
これは時間の無駄だと思って、どうしようかなーと考え始めることに。

社長のメールには
次のような一文もあった

なるほどな、
しかし難しいな、
困難不可能だと途方に暮れる

例えば、俺にもどっかの国の電気を通信してそうな広告会社だったら、
適当なこと言って(今全世界で空前のブームとか)無理やり需用を作り出すことができるんだろうけど、あいにくそんな金も力もない。
ということはやはり、潜在的に需用はあるが気付いていない人に気付かせる、もしくは今現在折り紙が無くて困っていいる人を探すししかないな。

潜在的に需用がある人』
昨日まで雑貨屋、文具屋などに営業して気付いたことは、折り紙はノルウェーにおいて全く無名であり(ヨーロッパにおいてノルウェーにのみ折り紙協会が存在しない)
用途を説明しても全く関心が無さそう。結構日本文化が人気の国もあるようですが、ノルウェーではその傾向は無。
全く、寿司屋は沢山あるくせになー。あれ、そういえば寿司屋に行っては見たものの、全く和風では無かったな。
超高級フレンチのような店、もしくは中国人が運営している小汚いエセ寿司屋しかない。
寿司屋をやっているってことは、少しは日本文化に興味があるであろう。そして折り紙(友禅和紙)で作った小物や箸置きなどを使えば日本的な雰囲気がつくれるんじゃないか?
と思い、今日は寿司屋に的を絞って営業することに。昨日までは折り紙を下してその店で売ってもらう、という作戦だったが、今回は折り紙をその店が使う分だけ買い取ってもらうという作戦。
なんかいけそうな気がしてきたぞー

『折り紙が無くて困っている人』
これは難しい!言いかえれば折り紙によってその人を助けることができるということだ。希望があるとすれば、ノルウェーにある日本製品ショップか?こんな店があるとすれば、客はノルウェーに住んでいる日本人か、日本大好きなノルウェー人であろう。その人達ならば折り紙を欲しがる可能性があるはず。しかもノルウェーにおいて日本の折り紙を調達するのは困難であるはずである。

でもそんなん存在するのかな?日本では中国食材専門店やインド食材専門店なんかがあるけど。
というかどこにあるのかわかんねー
当然ガイドブックにも載ってませんしね。さて、どうしたものか。とりあえず保留で。まあ寿司屋に行くことにする。



さあさあ寿司屋を探してガイドブックにのっている寿司屋に行ってみたら、なんと店が無い。
ファッキンシットジーサスオージャパンオワタイムイズナウ!

そこで歩いてきたマダムに聞いてみると、
「この店は今改装中でやってないわよ」
『マジすか』
「マジよ」
『オーマイガー』
「なに、あなたスシが食べたいの?」
『はい、そーです!(本当は少し違うけど)』
「ふふ、私もスシが大好きよ!いいでしょう、私がオスロで一番おいしいスシ屋を教えてあげましょう♪」
『おーテンキュー』


そして紹介された 
「Alex Sushi」という店に行くが、日曜日ということもありオーナー不在。しかし、今までの店に比べて興味しんしん。やっぱりスシ屋の店員なら多少は折り紙に興味がある様子。


そして次はガイドブックに載っていた「Nippon Art」に行く。
実はこの店、ノルウェーでの生活が折り紙の行商に決まるまでは、この店に住み込みで働く、なんていう話もあった。

店に入って英語で折り紙を説明していたら、急に日本語で話しかけられる。おーまさかこんな異国の地で日本人に会えるとは!

この人との出会いがターニングポイントとなることに。

名前は斎藤ノリタダさんで、愛称はノリさん。

話をしていると、スシ屋に売り込むのもいいが、日本ショップの方がいいのでは?とのこと。

おっ、これはなんたる偶然!俺が探していた日本専門店ではないですか。そうか、日本専門店を探す場合はにほ現地にいる日本人を探し出して聞けばよかったのか。

そしてなんと明日ならば仕事が休みなので案内してくるとのこと!
やったー!あれ?でも今日の寝台列車トロンハイムに行くんだよなー
うーむ、どうするか、もう列車は予約(有料)してしまったしなー
しかし!これも何かの縁!列車はキャンセルし、オスロでの滞在を一日延ばすことに。


しかも、今日泊まる場所がまだない旨を伝えると、なんとノリさんの家に泊めてもらうことに!
どうもありがとうございます。素晴らしすぎます。こんなどこの馬の骨かも分からない俺を止めてくれるなんて。

それにしても、なんだか本当に電波少年のようになってきたな。


おまけ
「Nippon Art」の内装

一通り店を回った実感としては、海外の寿司屋はこのように超高級店のような内装か、
もしくはタイ人や中国人がやっている小汚い店の2択である。
もし営業をするなら前者であろう。しかし、この完成されたオシャレな店にどう折り紙を溶け込ませるかが問題だ。



【学んだこと】
・なにはともあれ、とりあえず行動してみると得られることがある
・縁は大切に